国家的狂気という病が進行する過程 |
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2017年 09月 06日
<国家的狂気という病が進行する過程> 国が突如としておかしくなるということはまずない。国家的狂気という病は少なくとも数年がかりで次のような段階を経て進行する。 (1)人びとの自信の喪失 経済の低迷などで人びとが自信を失っていくにつれて、国家的なプライドを高揚させようとする気運が高まってくる。 人びとが異様なほどに国家のことを語るようになるのは、個々人の自己肯定感が危機にさらされていることの裏返しである。 特にこの国では3.11を機に多くの人びとが自信を喪失し、いまもその状態が続いている。 (2)ナショナリズムの煽動 そのような国民感情(ナショナリズム)を察知した商業主義的なメディアは、「国家の敵」に対する“偏見”と“敵意”と“憎悪”を煽るような報道を積極的に行うようになる。 たとえそのような政治的な意図がない場合であっても、そういう本や雑誌を出せば売れるので、商売としてそれらが世にあふれていく。 (3)煽動政治家による権力の掌握 そしてそのような国民感情(ナショナリズム)をコントロールする術に長けた政治家が現れ、圧倒的な支持とともに政権を掌握する。 その政権は初めのうちは様々な功績をあげて国民の支持をしばらくは得ることになる。 しかし政権の目的は政権自身の自己保存であって国民のためのものではない。 政府を暴走させないための鎖である憲法をはじめとする法治国家における諸制度は次第に骨抜きにされていく。 (4)分断によって作られた敵対者への攻撃や抑圧 そして最初は微小なことから行われるとしても、ヘイトスピーチや差別を煽るような言動や歴史認識をめぐる敵対者への攻撃といったような国内における「国家の敵」に対する抑圧が次第に拡大していく。 また国外における敵との紛争も開始される。 常に国内外の敵に対する恐怖を吹きこまれている人びとは、政府が行う排他的な政策に諸手をあげて賛成するようになる。 (5)負のスパイラルの完成 自らの国による国内外の敵に対する攻撃や抑圧が、それらに対する報復への恐怖をもたらし、その恐怖がさらに強烈な攻撃や抑圧につながる、といった負の循環が完成する。 ここに国家的な狂気は最高潮に至り、一度こうなると敗戦やクーデターといったような強烈なショックがない限り、その狂気は醒めることはない。 (参照記事) #
by omoinoha
| 2017-09-06 07:03
| 八嶋聡のノート
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