指導者の“利害”と“野心”が戦争の原因 |
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2016年 12月 22日
<戦争の原因についてのフロムの考え>② 第一次世界大戦を動機づけたのは、両陣営の政治的指導者、軍事的指導者、産業的指導者たちの経済的利害と野心であって、諸国民の要求ではなかった。 第一次世界大戦では、両陣営ともに自衛と自由の意識に訴えなければならなかった。 一方は彼らが包囲され脅かされていると主張し、彼らは自由のために戦っているのだと主張した。 また一方は、自分たちは相手の攻撃的な軍国主義に脅かされているのであって、自分たちこそ自由のために戦っているのだと主張した。 この戦争への熱狂に関するかぎり、戦争が始まった頃の熱狂と、それぞれの国民に戦いを続けさせるための動機づけとを区別しなければならない。 そしてドイツ側に関するかぎり、国民の中の二つの集団を見分けなければならない。 国民全体としては少数であったナショナリストの小集団は、何年も前から征服戦争を叫んでいた。 一方国民の大部分は、戦争の起こる直前と直後にのみ非常な熱狂ぶりを示した。 しかし国民全体としては、外国の領土を征服しようという願望によって動機づけられはしなかった。 ヒトラーがポーランドに対する襲撃を開始し、その結果第二次世界大戦の引き金を引いた時、一般の人びとの戦争熱はほとんどゼロであったことは非常に注目すべきことである。 国民は長年にわたって猛烈に軍国主義を吹き込まれてきたにもかかわらず、この戦争を行なうことを望んではいないことを非常にはっきりと示したのである。 (『破壊』参照)
by omoinoha
| 2016-12-22 13:21
| エーリッヒ・フロムを読む
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