世代を経るにしたがって、人間は悪くなってゆく。
人間があまりにも邪悪になった結果、力を信仰する時が来るだろう。
彼らにとって力は正義となり、善への畏敬は存在しなくなるだろう。
ついには悪行を見てももはや誰も怒らず、不幸な者たちの前で恥じるものもなくなった時、
ゼウスが彼らをもまた滅ぼすだろう。
しかしその時でも一般の人びとが立ち上がり、
彼らを圧迫する支配者たちを倒しさえするならば、何事かがなされるかもしれない。
----- 鉄の時代に関するギリシア神話
(エーリッヒ・フロム『破壊』 巻頭言より)