(12) 「自己欺瞞の最大の被害者は自分である」 (岸田秀を読む) |
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2014年 10月 25日
(読書ノート) 『絞り出し・ものぐさ精神分析』 (青土社) 『自分に嘘をつかない』 P185~ 「嘘も方便」という諺もあり、人に嘘をつくのは必ずしも悪いわけではないと思うが、自分に嘘をつくこと、すなわち自己欺瞞は決定的に悪い。 道義的意味おいて悪いかどうかはさておくとして、自己欺瞞は自分の精神的、身体的健康という純粋に利己的な観点からもきわめて有害である。 自己欺瞞の最大の被害者は自分である。 自分に嘘をつかず、そのまま現実を生きていれば、現実とのかかわりのなかで自ずとやりたいことが湧いてくるし、自分の助けを必要としている人が自ずと眼についてくるし、自ずと生き甲斐は感じられてくる。 生きていることが虚しいのは現実を生きていないからである。 何か不都合なことがあると、「なかったことにしましょう」と言う人がいるが、あること、あったことを「なかったことにする」ことこそ、ほんとうの生き甲斐を失わせる最大の原因である。 それはまた、不可避的に現実への不適応をも招く。 これは個人に関して言えるだけでなく、集団に関しても言える。 日米戦争における日本軍の惨敗の最大の原因は、物量の差ではなく、日本軍が不都合なことを「なかったこと」にして現実から目を逸らしていたことである。 そのため、現実には不可能なことが可能のような気がして愚劣な作戦を強行したり、また、作戦の失敗の原因が見えず、同じ失敗が無限に繰り返されたりするのであった。
by omoinoha
| 2014-10-25 09:47
| 非心理学者が語る心理学
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