親の言葉の影響は計り知れない |
「はやくしなさい!」
「だめじゃないの、なんでできないの……」
というように言われて育った子どもがいる。
もう一方に、いつも親から
「待っててあげるから大丈夫だよ。ゆっくりやってごらん!」
「よくできたね。たいしたものだね……」
というように言われて育った子どもがいる。
親の愛情というものが、子どもの心にあたかも財産のように蓄積されていくとするならば、親から強迫的に責められて育った子どもと、親の愛情に触れ認められて育った子どもとの間には、その財産の量に天と地ほどの差が生じるのは、しごく当然のことのように思われる。
親の言葉が子どもに与える影響は計り知れない。
子どもの幸せは親の心理的な成熟度によって左右される。
まず親自身が成熟していくこと、それが子どもの幸せにつながる。
「幸福な家庭は似通っている」(トルストイ)というのは、たとえば夫婦の仲がよいこと、まず親自身が幸せであること、そして子どもに愛情深いこと、たぶんそのようなことが似ているのである。