輪廻と涅槃(ユング) |
(ユング自伝Ⅱ P160)
東洋の精神に従うと、生と死の継起は、永遠の輪が目標なしに終わることなく回りつづけるものとして、無限の連続性としてみられている。
人は生をうけて、知識を達成し、死に、再び最初から始める。
仏陀に到って初めて、目標の観念が生じる、すなわち、地上の存在の克服である。
(ユング自伝Ⅱ P167)
ある魂がある段階の理解を達成したときは、……その魂はもはや、この世に帰ってくる必要がないのである。
そのときは、その魂は三次元の世界から消え失せ、仏教徒のいう涅槃に到達する。
しかし、まだ片づけなければならないカルマが残されているときは、魂は欲望へと逆戻りをし、再びこの世に帰る。
多分、そのようにしながらも、何か完成すべきことが残されていることが解っているのであろう。