人は他よりも多くを知るとき、孤独となる(ユング) |
子どものときから私は孤独を感じ、今もなおそうである。
それは私が物事を知っており、それについて何も知らずにほとんど知ろうとしない人々に、知らさねばならないからである。
孤独は自己の周囲に人がいないために生じるのではなく、自分にとって重要と思えることを他人に伝えることができないときか、自分が他人の許容し難い何らかの観点をもつことによって生じてくるものだ。
孤独は私の初期の夢の体験から始まり、私が無意識について研究しつつあるとき、その頂点に達した。
人は他よりも多くを知るとき、孤独となる。
しかし孤独な人にまさって、交わりに敏感な人はいない。
そして個々人がその個性を忘れず、自分を他と同一視することのない時にのみ、真の交わりが生じるのである。
(ユング自伝Ⅱ P214)